認知症ケアの場で、さまざまな芸術活動が行われるようになっています。これまでの研究から、即興的で共創的な芸術活動は、認知症の人本人だけでなく、認知症の人と介護者の関係性にも良い影響を与えることがわかっています。
しかし、実際にどのような活動を実施すればよい効果が得られるか、それらをどう評価すればよいのか、より根本的には、どのようなメカニズムで効果が得られるのか、既存のセラピーや介護で期待される効果との違いは何か、という点がまだ十分明らかになっていません。
そこで、医療、福祉、地域活動の専門家と一緒に、芸術活動が変化を生み出す仕組みや効果的な活動のデザインについて実践と理論の両面から研究を行っています。
本ページでは、研究の成果に基づいて作成した資料や広報物を掲載しています。
研究実施者:
・九州大学大学院芸術工学研究院 中村美亜研究室
・医療法人すずらん会 たろうクリニック
・ラボラトリオ株式会社
・NPO法人ドネルモ
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本研究は次の助成を受けています。
■JST(科学技術振興機構)「SOLVE for SDGs – シナリオ創出フェーズ」「認知症包摂型社会モデルに基づく多様な主体による共創のシナリオ策定」(JST、RISTEX、JPMJRX20I5)
https://www.jst.go.jp/ristex/solve/project/scenario/scenario20_uchidapj.html
■科研費(基盤B)「認知症ケアの場における芸術活動の多元的評価フレームワークの開発」
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22H00627/
■科研費(萌芽)「芸術活動をめぐる文化と福祉の間の障壁」
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22K18456/
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「認知症の方と介護者の方が共に創るアートワークショップ」ご紹介リーフレット
ドネルモは、2020年11月から2023年3月まで、日本科学技術振興機構(JST)の研究の枠組みで、認知症の専門医、福岡市の福祉局、医療福祉系シンクタンク、九州大学の先生方とともに、認知症ケアの新しいあり方を模索・実践するプロジェクトに取り組みました。そのプロジェクトの一環として、認知症の方やその介護者(介護スタッフや家族)が自分たちらしく暮らせる社会をめざし、「共に創るアートワークショップ」(※アーティスト、認知症の方、介護者がその場で一緒に創るアートワークショップ)を行っています。
実際に、どんなワークショップが行われ、どんな可能性を介護者が感じたのか、ぜひリーフレットをダウンロードのうえ御覧ください。リーフレットはこちらのページからダウンロードいただけます。
「認知症の方と介護者の方が共に創るアートワークショップ」ご紹介動画
共に創るアートワークショップの実際の様子や、参加された介護者の方へのインタビューなどをまとめています。
未来研究室 第3回セミナー「認知症ケアへの創造的アプローチ」動画
2023年2月19日に福岡市科学館で開催された、未来研究室 第3回セミナー「認知症ケアへの創造的アプローチ」にて、本研究に携わる中村 美亜先生(九州大学大学院芸術工学研究院・准教授)、勢島 奏子先生(精神科医師・たろうクリニック重度認知症デイケア担当医)によるレクチャーと対談が行われました。
重度認知症デイケアうみがめで実施されている集団精神療法の取組や、うみがめでの共創的アートワークショップに関する紹介、対談の様子をまとめています。
・レクチャー1:勢島奏子「重度認知症デイケアと集団精神療法」
・レクチャー2:中村美亜「うみがめでの共創的ワークショップ」
・対談:集団精神療法と共創的ワークショップの違い、ワークショップ動画の解説、介護者へのアンケート、質疑